ここでは私が推奨するサプリメントの根拠の一つであるGMPについて解説します。
【まずはじめに】
このページは専門的な内容です。
他のページではわかりやすく書いていますが、ここでは遠慮なくテクニカルワードや専門的な内容を書いていきます。
そしてもちろん、知らないでも症状には関係ありません!
本サイトで紹介しているサプリメントの根拠を知りたい、いまいち紹介している根拠が疑わしい、という方は読んでみて下さい。
GMPとは
GMPとはGood Manufacturing Practiceの略で、日本の法律名は
「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」(厚生労働省のサイトより)
です。
なぜGMPというかというと、アメリカ発症の規制であるからです。
各国がGMPに該当する法律があります。
医薬品の3大市場・3大開発・生産国はアメリカ、ヨーロッパ、日本であり、それぞれc-GMP、EU-GMP(PIC/S)、J-GMPと呼ばれたりします。
※PIC/Sは法律ではなくガイドラインなのですが、世界的に標準的なガイドラインであり、多くの国がPIC/Sに基づいて法律を制定しています。
このガイドラインはEU発のため、ヨーロッパの分類にしました。
ちなみに3大と記載しましたが、アメリカ(C-GMP)が先進的な概念を打ち出し、EUが世界標準を作り、日本はそれに追従するというようなイメージです。
(ここらへんは後塵を拝している感じですね。薬機法の再生医療等製品に関しては日本が先行して画期的な法律を制定しているので、GMPも頑張ってもらいたいです。← 超個人的な希望)
GMPには何が書かれているか
厚労省のページを読んでも何を言いたいのか全く良く分からないですよね(笑)
ざっくりというと、医薬品の品質を高く保つための規制で、3大原則は以下の通りです。
- 人為的な誤りを最小限にする(間違い防止)
- 医薬品の汚染および品質低下を防止する(汚染防止)
- 高度な品質を保証するシステムを設計する(品質保証システム)
ただしGMPには具体的な要件は記載されておらず、上記3原則を満たすためにガイドラインなどに従いながら、各社が具体的な取り組みを考えて実行しなければなりません。
そして、査察を受けてクリアしないと出荷できません!
この査察をクリアするのは非常に大変で、実績やノウハウのない会社、社員のレベルが低い会社は即刻出荷停止をくらいます。
第一三共は、インドのランバクシーという会社を買収して大失敗しています。
これはランバクシーが出荷停止をくらったため。
また重大なワーニングレターを受けると出荷停止になるため、各社神経を尖らせるわけです。
(アメリカのFDA査察では483といい、社内では査察前後で「483」という数字があちこちで連呼されます笑)
そしてこのGMPは性悪説の文化であるアメリカからの発症のため、「全て文書で証明」しなければいけません。
大量の文書を発行するためGrate Mountain of Paperとか言われたりします(笑)
この文書は全て予め決められた承認者によって承認されている必要があり、そこには日付まで明記されている必要があり、単にwordなどで文書を作成しておけば良いものでもありません。
更には製造部門・品質管理部門・品質保証部門が独立してお互いを監視し合うような組織体制になっていなければいけません。
特に出荷の最終責任は品質保証部門のため、製造は品質保証部門とよく喧嘩になります(笑)
GMP生産だと何が違うか(ユーザーのメリット)
GMP生産によってユーザーが得られるメリットは以下の通りです。
出荷判定がされている
これが最も大きいでしょう!
特に日本だと出荷判定なしでサプリメントを出荷できてしまうため、極端な話、書いてある成分が全然入っていなかったり、全然書いてある含有量に足りなかったり、ということが起こります。
(いろんな会社のサプリメントを含有量を測ったら、全然足りなかったという記事を読んだこともあります)
一方、GMP準拠であれば出荷基準に満たないと出荷できないわけですから、粗悪なサプリメントを掴まされることがなくなります。
安全性が高い
GMP管理されている工場は、出荷判定だけでなく製造プロセスも保証されていなければなりません。
たとえば、プロセスに接する部分の表面処理の証明書・記録書(禁油証明など)が出された部材を使用しなければなりません。
また製品切替後は、装置を洗浄後、装置の内側の拭き取り(スワブという)、洗浄液(リンスという)などでサプリングし、異物が含まれていないことを証明しなければいけません。
この含有量の基準値は無毒性量などの科学的な根拠から算出されています。
(たいてい科学的に人体に影響ないと言われる数値よりはるかに厳しい数値が社内基準で決められている)
要は不必要なほど厳しい基準が設定され、それを確実に遵守するシステムが構築されているのがGMPなのです。
GMPのデメリットは?
GMPのデメリットは「製造コストが高くなる」、これに尽きます!
なぜならこれまで説明した通り、過剰なほど品質保証のためにリソースを割いているからです。
GMP認定商品が高い場合、これは安全のために料金を上乗せしていると考えてください。
※アメリカ製サプリメントがGMP生産にも関わらず安い理由は、生産量が非常に大きいためです。手抜きされているわけでも原材料が粗悪だからというわけでもありません。
ここらへんは業界人のためもっと色々記載できるのですが、キリがないのでここらへんにしておきます(笑)
ここまで読んでくださった方、お疲れ様でした。
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